フクロモモンガが食べてはいけないもの|危険な成分・症状について徹底解説します

あなた

フクロモモンガって食べてはいけないものあるの?なんで食べちゃだめなの?ちょっとくらいいいんじゃない?

そんな疑問にお答えします。

  • 本記事の内容
  • フクロモモンガ 食べてはいけないもの
  • フクロモモンガ 食べてはいけない理由

今回のテーマは、フクロモモンガの食べてはいけない食材について。

フクロモモンガが食べてはいけないもの、その理由について詳しく解説します。

本記事は、下記のようなお悩みをお持ちの方に向けた記事です。

  • フクロモモンガに与えてはいけない食材を知りたい!
  • 与えてはいけない理由は?
  • 与えてしまうとどういった症状がおこるのか?

フクロモモンガの食べてはいけないものについて書籍で調べると

  • 与えてはいけない食材は何か?

という情報は簡単に分かるのですが、

  • 与えてはいけない原因(成分)は何か?
  • 与えてしまうとどうなるのか?

という詳しいところまでは分かりません。

本記事では、与えると危険な成分・与えた場合の症状についても詳しく解説していきます。

ひろ

基本的には書籍の情報と、ネットの獣医師/薬剤店の発信情報を元に纏めた内容なので、みなさんの参考になるはずです!

本記事の内容を動画でまとめています ▶️ YouTube動画

目次

フクロモモンガが食べてはいけないものリスト

今回僕がご紹介する食材をリストにまとめました。

ざっくり3つのカテゴリーに分類しています。

  • 野菜
  • 果物
  • その他

これら食材について、詳しく解説していきますね。

スクロールできます
カテゴリ食べてはいけないもの理由(成分)症状例
野菜ネギ類
(玉ねぎ、長ネギ等)
有機チオ硫酸化合物貧血
じゃがいもの芽と緑色の皮ソラニン
チャコニン
神経麻痺
胃腸障害
アボカドペルシンおう吐、下痢
トマトのヘタと茎トマシンおう吐、下痢
生の大豆プロテアーゼインヒビター
アミラーゼインヒビター
レクチン
おう吐、下痢
※ほうれん草シュウ酸代謝性骨疾患
※とうもろこしリン代謝性骨疾患
果物バラ科サクラ属の熟れていない果実や種
(サクランボ、モモ等)
アミグダリンおう吐
神経障害
※柑橘類?
※ブドウ?
その他ピーナッツの殻のカビアフラトキシンおう吐、下痢
牛乳乳糖下痢
生肉と生卵サルモネラ菌おう吐、下痢
チョコやお菓子、コーラなどテオブロミンおう吐、下痢
ひろ

食べすぎに注意すべきものについては、こめじるし(※)を付けていますよ。

食べてはいけない野菜

まずは、食べてはいけない野菜について解説します。

  • 食べてはいけない野菜
  • ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、にら等)
  • じゃがいもの芽と緑色の皮
  • アボカド
  • トマトのヘタと茎
  • 生の大豆
  • ※ほうれん草
  • ※トウモロコシ

順番に説明していきますね。

ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、にら等)

まずはねぎ類(玉ねぎ、長ネギ、にら、にんにくなど)です。

ネギ類を食べてはいけない理由は、ねぎ類に含まれる「有機チオ硫酸化合物」という成分です。

人間は「有機チオ硫酸化合物」を消化する酵素を体内に保有しているので、消化することで抗がん作用や血栓の予防、免疫力アップなど様々な効果をもたらしてくれます。

しかし犬や猫など一部動物は、この酵素を体内に保有していません。

「有機チオ硫酸化合物」は酸化作用があるため、消化できないと赤血球のヘモグロビンが酸化されて、赤血球が血管内で破裂しやすくなるんですね。

そして赤血球の破裂が繰り返されることで赤血球自体の数が減少して、貧血を引き起こしてしまうと言われています。

ネギ類を食べてはいけない要因は諸説ある!?

ちなみに、書籍:フクロモモンガ完全飼育では「アリルプロピルジスルファイド」という成分が貧血の原因と書かれていました。

一方でネットで薬を取り扱っているサイトを調べると、

少し前までは『アリルプロピルジスルフィド』が中毒を引き起こす原因であるとされていましたが、近年、研究が進むことで、本当は『有機チオ硫酸化合物』が中毒の原因ということが判明しました。

ぽちたま薬局スタッフブログより抜粋

などという記述があり、他のサイトでも同様の記述を確認しました。

ですので『有機チオ硫酸化合物』が原因としては正しいと僕は考えています。

いずれにしても、ネギ類は貧血の原因となるので与えてはいけません!

なお、有機チオ硫酸化合物は熱で消えるわけではないので、火を通しても食べてはいけませんよ。

じゃがいもの芽と緑色の皮

次、じゃがいもの芽と皮です。

じゃがいもの芽と緑色になっている皮を食べてはいけない理由は、「ソラニン」や「チャコニン」という成分です。

特にソラニンは有名ですよね。

人間にとっても有毒な成分で、吐き気や下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ます。

フクロモモンガにとっても危険な成分で、神経麻痺や胃腸障害などの中毒症状をひき起こすとされています。

一例ですが、体重が50 kgの人の場合、ソラニンやチャコニンを50 mg(0.05 g)摂取すると症状が出る可能性があり、150 mg~300 mg(0.15 g~0.3 g)摂取すると死に至る可能性があるらしいです。

加熱しても毒性は変わらないので、じゃがいもの芽と緑色の皮は絶対に与えないようにしましょう!

アボカド

次、アボカドです。

アボカドを食べてはいけない理由は、「ペルシン」という成分です。

アボカドの果実や種子を含めたすべての部分に含まれているペルシンは最近発見された成分で、動物への影響についてはまだ完全に解明されていません。

しかし強力な殺菌作用がある毒素であることは判明していて、人間以外の動物が食べると中毒症状が表れます。

犬や猫やウサギなど小動物が摂取すると、おう吐や下痢、呼吸困難や心臓不整脈などの症状が見られます。

特にフクロモモンガなどの小動物は、少量でも死に至る場合が多いようですよ。

加熱すれば大丈夫かどうか、判断できる情報を見つけることはできなかったので、いずれにしてもアボカドは与えない方がいいですよ。

トマトのヘタと茎

次、トマトのヘタと茎ですね。

トマトのヘタと茎を食べてはいけない理由は、「トマチン」という成分です。

ひろ

じゃがいもの芽に含まれるソラニンと似たような成分らしいですね。

症状としては、下痢や嘔吐があると言われています。

トマチンは部位によって含有量が変わるらしくて、トマトの種類などによっても異なりますが、報告されている測定例はこんな感じです。

花(1100 mg/kg)

葉(975 mg/kg)

茎(896 mg/kg)

未熟果実(465 mg/kg)

熟した青い果実(48 mg/kg)

完熟果実(0.4 mg/kg)

一般社団法人 日本植物生理学会より抜粋

花、葉、茎に多く、完熟果実ではかなり少なくなっていることが分かりますね。

トマトの花を食べる機会はないと思いますが、少なくともヘタと茎は与えると危険なので注意してください。

ちなみに完熟したトマト自体にもトマチンは含まれていますが、微量なため人間にもフクモモにも影響はほとんどありません。

ひろ

人間死ぬのに必要なトマトの量は、1日に3〜4トンらしいですよ笑

生の大豆

最後、生の豆です。

豆と言うのは、例えば大豆や小豆、えんどう豆などですね。

生の豆を食べてはいけない理由は、「プロテアーゼ・インヒビター」「アミラーゼ・インヒビター」「レクチン」という成分です。

インヒビターは、阻害するという意味ですね。

多くの豆類の種子中にはこれら成分が含まれており、プロテアーゼやアミラーゼなどの働きを阻害するため、生食すると消化不良を起こし下痢や嘔吐を引き起こす原因となります。

加熱処理をすることによって無害化するため食べることができますが、生の豆類は絶対に与えないようにしましょう。

ひろ

豆類はなぜ毒があるのかというと、植物が種の存続の為に動物が自分の種を食べられないようにしているという説があるみたいですね。

ほうれん草(与えすぎ注意)

その他参考ですが、ほうれん草は食べすぎに注意すべき野菜です。

ほうれん草の食べ過ぎに注意すべき理由は、「シュウ酸」という成分です。

シュウ酸はカルシウムの吸収を阻害する働きをするため、過剰に摂取すると骨粗しょう症を引き起こしたり、腎臓や尿路に結石を引き起こしたりする懸念があります。

ほうれん草は、茹でて水にさらすことでシュウ酸を8割減らすことができると言われているので、ほうれん草を与える場合は茹でるか、毎日は与えないようにしましょう。

とうもろこし(与えすぎ注意)

とうもろこしも、ほうれん草と同じく食べすぎに注意すべき野菜です。

とうもろこしの食べ過ぎに注意すべき理由は、「リン」という成分。

5大栄養素の一つであるミネラル、このミネラルの主要成分がカルシウムとリンです。

そして、フクロモモンガに摂取させるカルシウムとリンの割合は1:1~2:1が良いとされています。

つまり、リンの割合が少し少なめがいいってことですね。

理由は、リンの割合が多すぎるとカルシウムの吸収が上手く出来ないからなんですよ。

カルシウムを上手く摂取できないと、成長不良・歩行障害を伴う「くる病」とういう病気になってしまうリスクが高くなります。

一方で、実はトウモロコシは他の野菜や果物と比べてリンの含有率がかなり高いんですよ。

書籍:フクロモモンガ完全飼育の数値を借りると、とうもろこし100gあたり、カルシウム3mg、リンはなんと100g!

割合で言うと1:33ですね笑

バランスが悪すぎます…

そんなわけで、リンの過剰摂取を避けるためにも、とうもろこしの与えすぎには注意しましょう。

食べてはいけない果物

次に、食べてはいけない果物について解説します。

  • 食べてはいけない果物
  • バラ科サクラ属の熟れていない果実や種
  • ※柑橘類
  • ※ブドウ

順番に説明していきますね。

バラ科サクラ属の熟れていない果実や種

まずは、バラ科サクラ属の熟れていない果実や種です。

バラ科サクラ属というのは、例えば、さくらんぼ、ビワ、桃、杏、梅、すももなどですね。

これらを食べてはいけない理由は、「アミグダリン」という成分です。

バラ科サクラ属の熟れていない果実や種にはこのアミグダリンが含まれており、動物が摂取すると腸内細菌によって分解され、シアン化水素(青酸)を発生させます。

このシアン化水素は、嘔吐や肝障害、神経障害の症状を引き起こしてしまうんですね。

だから、熟れていないさくらんぼや桃などの果実と種は、絶対に与えてはいけません。

柑橘類(与えすぎ注意)

その他参考ですが、柑橘類は食べすぎに注意すべき果物です。

書籍:フクロモモンガ完全飼育や、フクロモモンガ飼育バイブルなどでは、柑橘類は与えすぎると下痢を起こすので注意しましょう、という旨が書かれています。

ですが、柑橘類がフクロモモンガに対して下痢を引き起こす要因については調べても分かりませんでした。

犬や猫に対しては有毒な成分があることはわかったんですが、フクロモモンガとか小動物に対して有毒な成分の説明は出てこなかったんですよね…

水分量が多いから与えすぎると下痢を起こすってことなのかな?

でもスイカも水分量多そうですしねー。

なので真偽は不明なのですが、書籍では与えすぎないように注意喚起あるので、我が家では積極的に与えることはしてません。

ブドウ(与えすぎ注意)

ブドウについてですが、こちらも書籍:フクロモモンガ完全飼育では、

  • 犬猫に対して急性腎臓疾患をひき起こすことが知られている
  • フクモモではそういった情報はないが、他にいろんな果物があるから、わざわざ与える必要はない

みたいなことが書かれています。

これも色々調べてみたんですが、正直有害かどうか判断できませんでした。

ちなみに我が家では柑橘類と同様に、積極的には与えないようにしています。

食べてはいけないその他食材

最後、与えてはいけないその他の食材についてです。

  • 食べてはいけないその他食材
  • ピーナッツの殻のカビ
  • 牛乳
  • 生肉と生卵
  • チョコやお菓子、コーラなど

順番に説明していきますね。

ピーナッツの殻のカビ

まずナッツ類で食べてはいけないものは、ピーナッツの殻のカビです。

ピーナッツ自体は食べることができますが、殻についた黒いカビは危険なんですね。

その理由が、「アフラトキシン」という成分。

正確に言うと、アフラトキシンとはカビの名前ではなく、カビが作り出す毒素の名前です。

このアフラトキシンという毒素は発がん性の高いカビ毒と言われており、他の発がん物質のなかでも最も強力なものとされています。

具体的なフクロモモンガへの影響については調査してもわからなかったのですが、人間に対して肝臓障害も引き起こすとされているものなので、フクモモには与えない方がいいでしょう。

ピーナッツの殻をそのまま与えないように注意して下さいね。

牛乳

次、牛乳です。

牛乳を与えてはいけない理由は、「乳糖(ラクトース)」という成分です。

牛乳を飲んだ時に感じる甘さ、これが乳糖ですね。

人間は乳糖を分解する酵素:ラクターゼを小腸に持っているので、牛乳を摂取することができます。

しかしフクロモモンガはこのラクターゼを持っていないので、乳糖を分解できません。

すると、消化不良を起こし、下痢を起こしてしまう可能性があります。

フクロモモンガには人間が飲む牛乳は与えないにしましょう。

その代わりに、乳糖を調整してあるフクロモモンガ用のミルクを与えてあげてくださいね。

ちなみに牛乳から作られるヨーグルトは、フクロモモンガが食べてOKです。

牛乳はNGなのでヨーグルトはOKな理由、皆さんはご存知ですか?

理由は、ヨーグルトは乳糖が少ないからです。

ヨーグルトは牛乳を乳酸菌で発酵させたもので、発酵過程で乳糖の2〜3割が分解されるため、乳糖による消化不良の影響を受けにくくなっているんです。

生肉と生卵

続いて、生肉と生卵ですね。

生肉と生卵を食べてはいけない理由は、「サルモネラ菌」です。

人間社会でも食中毒の原因として有名なこのサルモネラ菌。

犬・猫をはじめとした小動物でサルモネラ感染症になると、嘔吐、下痢、食欲不振の症状が出てしまいます。

よほど新鮮な生肉・生卵出ないと、サルモネラ菌による懸念は払拭できません。

与える場合は茹でるなどしていただくことをお勧めします。

チョコやお菓子、コーラなど

最後、チョコなどのお菓子や、コーラ、お茶などですね。

こういったものを食べてはいけない理由は、「テオブロミン」という成分です。

このテオブロミンは、中枢神経や血管に作用する性質があり、人間には集中力や記憶力を高めるなどの効果をもたらします。

一方で犬や猫、小動物には、人間のように成分をすばやく分解できず、中毒症状を起こしてしまいます。

テオブロミン中毒のおもな症状は、興奮状態や、嘔吐や下痢、けいれんなど。

摂取量が多い場合は、昏睡状態に陥り、最悪の場合、命を落とすこともあります。

ちなみにテオブロミンはカカオの量に比例するので、とくにカカオを多く含むビター系のチョコレートは、ごく少量を口にしただけでも重篤な症状を引き起こす可能性が高くなるらしいですね。

人間が飲食するために作られたお菓子や飲み物などは、与えないようにしてくださいね。

さいごに

以上、フクロモモンガが食べてはいけないもの、その理由について細かく解説しました。

今回のテーマでフクモモが食べられないものについて色々情報収集しましたが、本やネットに載っている情報の中で、表現が適切でないもの・間違っているものがあるなぁと感じました。

例えば、ネギ類を食べてはいけない原因の成分が「有機チオ硫酸化合物」と「アリルプロピルジスルファイド」で分かれていたり、牛乳に含まれる成分:乳糖(ラクトース)と、乳糖を分解する酵素:ラクターゼを混同して説明している記事があったりなどですね。

一つの情報だけ見て判断していると、間違ったことを正しいと思い込んでしまう可能性があるので、ぜひ幅広く情報を収集してください。

そのなかで、僕の記事が皆さんの一助になれば嬉しいです。

それでは、良いフクモモライフをー!

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