フクロモモンガのカラーって遺伝するの?交配表があるなら見てみたいな。
こんなお悩みを解決します。
- 本記事の内容
- 遺伝と交配に関する必須知識
- フクロモモンガの交配表(親がホモ同士の場合)
- この記事を書いた人
フクロモモンガのカラーについて、ノーマル以外にもモザイクやリューシなどたくさんの種類があることは有名です。
では、フクロモモンガのカラーの遺伝と交配について知っていますか?
- ノーマルのお父さんとモザイクのお母さんから生まれてくる子のカラーは?
- プラチナのお父さんとリューシのお母さんから生まれてくる子のカラーは?
こういった知識は飼育上必須ではありませんが、機会があれば知りたいなと思っている方多いのではないでしょうか。
でもネットで得られる情報が少なかったり、人によって発信している内容が異なったりするんですよね。
本記事は、フクモモのカラーの遺伝と交配について「全く知らないけどちょっと興味がある」そんな方だけに向けて作った入門編です。
できるだけ簡単に、わかりやすく解説しました。
あくまで一飼育者の僕が調べた情報をまとめたものであり、信頼性は100%保証できません。詳しく知りたい方は、ぜひお近くのショップ・ブリーダーさんに質問してみてくださいね。
今回は入門編ということで、親がホモの個体(ヘテロではない)同士だった場合の交配を解説します。「ホモ?ヘテロ?何言ってるかわからん!」という方は、何も気にせずにこのまま読み進めてください。
フクロモモンガの遺伝と交配に関する必須知識
交配表を説明する前に、遺伝と交配を語る上で必要不可欠な「メンデルの法則」から用語を4つ覚えましょう。
- フクロモモンガの遺伝と交配に関する必須知識
- 優性遺伝
- 劣性遺伝
- ヘテロ
- ホモ
メンデルの法則について
植物のエンドウを例に説明します。
エンドウの種子の形には大きく2種類、形が丸くて滑らかな形と、角ばってシワシワな形があります。
この形は遺伝子によって決まっており、A遺伝子が形が丸くて滑らかな情報、B遺伝子が角ばってシワシワな情報を持っています。
エンドウは遺伝子を2つ持っているので、それぞれAを2つ、Bを2つ持っているとしましょう。
両者を交配させたエンドウ豆は、それぞれのエンドウが持っている2つの遺伝子の内、1つずつ受け取ります。
今回の場合だと、AAからAを一つ、BBからBを一つ受け取るので、ABという遺伝子を持つことになりますね。
これが「メンデルの分離の法則」です。
また、このABという遺伝子を持ったエンドウの種子は、必ず丸くて滑らかな形になります。
角ばってシワシワな形は出てきません。
遺伝子には、外見として発現しやすい・しにくいという優劣があります。
今回の場合だと、A遺伝子の方がB遺伝子よりも発現しやすい特性を持っていることになりますね。
これが「メンデルの優劣の法則」です。
必須知識4つについて
ここでみなさんに覚えてほしい4つの用語を解説します。
まず遺伝子には、外見として発現しやすい・発現しにくいという優劣があること。
他の遺伝子よりも発現しやすいものを優性遺伝子、優性遺伝子があると発現できないものを劣性遺伝子と言います。
またエンドウは2つの遺伝子を持っていますが、AA・BBのように同じ遺伝子を持つ場合と、ABという異なる遺伝子を持つ場合があること。
同じ遺伝子を持っているものをホモ、異なる遺伝子を持っているものをヘテロと言います。
優性遺伝・劣性遺伝・ホモ・ヘテロ、この4つの用語はフクモモの遺伝と交配をする上で重要になるので覚えておきましょう。
フクロモモンガのカラーと優性/劣性
フクロモモンガのカラーは6種類
フクロモモンガのカラーと動画で取り扱う前提条件について解説していきます。
今回取り上げるフクロモモンガのカラーは以下6種類です。
- 本記事で解説するフクロモモンガのカラー
- ノーマル(クラシック)
- ホワイトフェイス
- モザイク
- リューシ
- プラチナ
- クリミノ
なお、アルビノは突然変異種であること・情報が少ないことを考慮して今回の解説からは外しています。
フクモモのカラーについては今後別動画で詳しく解説する予定なので、別途チェックしてくださいね。
フクロモモンガのカラーにも優性遺伝と劣性遺伝がある!?
本記事で紹介する6種類のカラーにも、優性遺伝・劣性遺伝の考え方が存在します。
優性遺伝はノーマル・ホワイトフェイス・モザイク、劣性遺伝はリューシ・プラチナ・クリミノです。
つまり、ノーマル・ホワイトフェイス・モザイクの方が、リューシ・プラチナ・クリミノよりもカラーとして発現しやすい、ということです。
【超重要】前提条件|親がホモの個体同士だった場合で解説します
ここから各個体同士を親として繁殖させたときに子がどのようなカラーになるかを解説していきますが、本記事では親がホモの個体(ヘテロではない)同士だった場合について取り上げています。
…理解できん!言っていることが分かりにくいw
もう少し具体的に説明しますね。
仮にノーマルの個体がいたとします。
ノーマルの個体は、ノーマルの遺伝子しか持たない場合と、ノーマル以外の遺伝子も持っている場合(例えばノーマルとリューシ両方の遺伝子を持っている場合)があります。
本記事では、親はホモ個体=ノーマルの遺伝子だけしか持っていないと仮定して解説するということです。
その理由は、入門編として内容を簡潔にするため。
親がヘテロの場合の遺伝と交配は非常に難しく、また人によって意見が異なるため、まずはホモ個体同士での交配を理解することが大切だと私は考えています。
…正直、フクモモショップやブリーダーの方に、もっとたくさん解説記事や解説動画あげてほしいです…(切実)
これを踏まえて、フクロモモンガの遺伝と交配の入門編を解説していきます。
フクロモモンガの交配表(親がホモ同士の場合)
フクロモモンガの交配について、以下大きく3つに分けて解説します。
- フクロモモンガの交配について
- 優性遺伝×優性遺伝
- 劣性遺伝×劣性遺伝
- 優性遺伝×劣性遺伝
優性遺伝×優性遺伝(ノーマル・ホワイトフェイス・モザイク)
ノーマル×ノーマルの場合、ノーマルが産まれます。
ホワイトフェイスがいる場合、ノーマル or ホワイトフェイスが産まれます。
モザイクがいる場合、ノーマル or ホワイトフェイス or モザイクが産まれます。
劣性遺伝×劣性遺伝(リューシ・プラチナ・クリミノ)
同じカラー同士の場合、同じカラーの個体が産まれます。
例えばリューシ×リューシならリューシ、プラチナ×プラチナならプラチナ、クリミノ×クリミノならクリミノが産まれるということです。
リューシ×プラチナの場合、プラチナが産まれます。
このプラチナは、親からリューシの遺伝子を受け取っていますが、発現はしていません。
そのため「プラチナ ヘテロ リューシ」とも呼びます。
クリミノ×リューシ or クリミノ×プラチナの場合、ノーマルが産まれます。
このノーマルは、親からクリミノとリューシの遺伝子をそれぞれ受け取っていますが、発現はしていません。
そのため「ノーマル ダブルヘテロ クリミノ・リューシ」とも呼びます。
優性遺伝×劣性遺伝
優性遺伝×劣性遺伝の場合、優性遺伝で発現する可能性のある個体が産まれます。
例えばノーマル×リューシの場合は、優性遺伝であるノーマルに従って、ノーマルが産まれます。
理解度テスト|例題
フクモモのカラーの交配についてはなんとなくわかったけど、理解できたか不安だなぁ…
それでは、理解度テストをしてみましょう!交配に関する例題を4つ出すので、
例題1
ホワイトフェイス×モザイクの場合、どんな個体が産まれるでしょうか?
例題2
プラチナ×リューシの場合、どんな個体が産まれるでしょうか?
例題3
プラチナ×クリミノの場合、どんな個体が産まれるでしょうか?
例題4
ホワイトフェイス×クリミノの場合、どんな個体が産まれるでしょうか?
みなさん分かりましたか?早速答え合わせをしてみましょう。
例題1の答え
ノーマル or ホワイトフェイス or モザイク
優性遺伝×優性遺伝の交配であり、モザイクがいる場合はノーマル or ホワイトフェイス or モザイクが発現します。
例題2の答え
プラチナ(ヘテロリューシ)
劣性遺伝×劣性遺伝の交配であり、プラチナ×リューシの場合はプラチナが発現します。
例題3の答え
ノーマル(ダブルヘテロプラチナ・クリミノ)
劣性遺伝×劣性遺伝の交配であり、クリミノ×プラチナ or クリミノ×リューシの場合はノーマルが発現します。
例題4の答え
ノーマル or ホワイトフェイス
優性遺伝×劣性遺伝の交配となるため、優性遺伝(ホワイトフェイス)から発現する可能性のある個体、つまりノーマル or ホワイトフェイスが産まれます。
まとめ
フクロモモンガのカラー遺伝と交配(親がホモ同士の場合)について解説しました。
なにか不明点あれば、気軽にご質問下さいね。
それでは良いフクモモライフを~!
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