フクロモモンガが自傷行為するって本当!?うちの子大丈夫かな…どのくらいの確率で発生しているんだろう?原因(要因)や対策が知りたいなぁ。
こんなお悩みを解決します。
- 本記事の内容
- 自傷行為とは?
- 自傷行為 発生確率
- 自傷行為 要因
- 自傷行為 対策
- もし自傷行為が発生したらどうする?
- この記事を書いた人
本記事では、フクロモモンガの自傷行為について解説します。
自傷行為が発生すると飼い主とフクモモ、どちらにも大きな負担となります。
- 動物病院への通院に時間・コストがかかる…
- 治療はフクモモへの心身の負担が大きい…
- 治療が終わっても、傷跡は消えない…
事前に対策できることはやっておきましょう!
本記事を見れば、自傷行為とは何か、発生する確率や、我が家での対策についてご理解いただけます。
みなさんの参考の一助になれば嬉しいです。
自傷行為とは?
病名 | 自咬症(じこうしょう) |
症状 | 自分の体を舐め回したり噛んだりして傷つける |
症例 | ・しっぽがはげるまで舐める ・ペニスを咬んで出血する ・耳を引っ搔いてちぎってしまう ・臭腺を引っ掻いて傷つける など |
自傷行為とは、フクモモ自身が自分の体を傷つけてしまうことです。
自傷行為そのものは、「自咬症」という病名でよばれていますね。
書籍によると、自傷行為で多いのは陰部(ペニスや総排泄孔)や胸部(臭腺)のようですね。
具体的な写真は結構グロテスクなので動画上では載せませんので、気になる方は「フクロモモンガ 自傷行為」で画像検索してみてください…
自傷行為の発生確率は約5%
自傷行為の発生確率は、個人的に調べたところ約5%ではないかと考えています。
根拠は2つあります。
- モモンガ博士:ますみずさんの動画
- アニコムの動物白書2021
順番にご紹介しますね。
根拠①:ますみずさんの動画
1点目は「ももんが博士:ますみずさんのYoutube動画」です。
こちらの動画も自咬症について詳しく紹介されているので、ぜひご覧ください。
動画内でますみずさんのTwitterフォロワーさん向けに実施した自咬症のアンケート結果を紹介していたのですが、フクモモ飼育者の約9%が自咬症の経験があると言うものでした。
根拠②:アニコムの動物白書2021
2点目は「アニコムの動物白書2021」です。
ペット保険のアニコムでは、契約しているペットの保険請求をまとめて年次毎に報告してくれているんです。
2021年度の報告資料でフクモモの項目を見てみると、1年間で約0.3%の人がエキゾチックアニマルの疾患で保険請求していました。
エキゾチックアニマルの疾患は自咬症だけでなくビタミン欠乏症なども含まれているので、自咬症としては実際0.3%以下と考えられます。
つまりフクロモモンガの寿命を10年と仮定すると、一生のうちで約1~3%が自傷行為に至ると推定されます。(ざっくり検討ですが…)
以上2点から、約5%くらいの確率で発生すると僕は考えています。
この5%と言う確率が高いか低いか、皆さんはどう感じますか?
僕はかなり高いなと感じました。発生リスクを少しでも低減するために、できる対策はやっておきましょう!
自傷行為の要因
自傷行為が発生する要因は大きく2つ、体の異常と心の異常です。
- 自傷行為の要因
- 傷による痛みやかゆみ
- 細菌/原虫による痛みやかゆみ
- 消化器の病気による痛みやかゆみ
など…
- 「退屈」「寂しい」
- 周辺環境にイライラする(音/臭い/温度等)
- 性的フラストレーション(オスの性成熟)
など…
こういった体と心の異常が、フクロモモンガを自傷行為へ駆り立てるわけですね。
自傷行為 我が家の対策例
フクロモモンガの体と心の異常を予防するために、我が家で心がけていることがあります。
- 自傷行為 我が家の対策
- 用品を衛生に保つ
- バランスの良い食事
- 食生活を急に変えない
- できるだけ毎日遊ぶ
- ケージ内に遊具を設置する
- 静かな場所にケージを置く
- 消臭グッズを活用する
- 去勢手術
- 多頭飼い
自傷行為対策以外の目的でやっていることもあるし、紹介する内容が全部正しいかはわかりませんが、皆さんの参考になるものがあれば幸いです。
「体の異常」対策
体の異常を予防するために行っていることは、以下の3つです。
- 用品を衛生に保つ
- バランスの良い食事
- 食生活を急に変えない
順番に説明していきますね。
対策①:用品を衛生に保つ
ケージや水差し、食器などの用品が汚いと、フクモモ自身が汚い状態になります。
不衛生な環境が続くと、皮膚の炎症がより悪化したり、かゆみの原因になりますよね。
用品の衛生を保つことで、皮膚の炎症悪化やかゆみを防ぐことにつながると考えられます。
対策②:バランスの良い食事
タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルの5栄養素は、動物に欠かせない栄養素。
しかし、これら栄養素が偏った食生活は体に何らかの異常をきたすと考えられます。
フクロモモンガ用のペレットを中心としたバランスの良い食事を心がけましょう。
- ちなみに、フクロモモンガの適切な食事・餌についてはいろいろな意見があって、「これが正解だ」という答えがありません。
僕が考えるフクモモの適切な食事についても、今度動画やブログでまとめようと思っています。
食生活を急に変えない
フクロモモンガは環境の変化に敏感な動物。
初めての食べ物に対しては食が細くなったり、お腹を壊したりすることがあります。
環境の変化にストレスを感じて自傷行為に至る可能性もあるのではないでしょうか。
初めて与えるものがある場合は、いきなり大量に与えるのではなく、少量ずつ変えていく方が良いと僕は考えます。
「心の異常」対策
心の異常を予防するために行っていることは、以下の3つです。
- できるだけ毎日遊ぶ
- ケージ内に遊具を設置する
- 静かな場所にケージを置く
- 消臭グッズを活用する
順番に説明していきますね。
対策④:できるだけ毎日遊ぶ
退屈だったり寂しい思いをさせることが自傷行為につながります。
少しでも寂しい思いをさせないために、できるだけ毎日一緒に遊びましょう。
毎晩ケージから出して部屋んぽや蚊帳んぽをしてあげてください。
対策⑤:ケージ内に遊具を設置する
できるだけ毎日遊んであげたいですが、仕事やプライベートで遊ぶ時間がない場合もあると思います。
そんな場合はケージの中でフクモモがストレス発散できるように遊具を設置しましょう。
個人的におすすめなのは、回し車かNEWえんちメーカーの2つです。
回し車はメッシュタイプではなく、プラスチックタイプの方が個人的には好きですね。
我が家ではハーモニーホイール25を使っています。
遊具例:NEWえんちメーカー
NEWえんちメーカーは、のびも15の自社開発商品です。
フクモモの本能を刺激する仕組みなので、自傷行為対策には適していますね。
詳しい特徴はこちらの関連記事をご覧ください。
対策⑥:静かな場所にケージを置く
フクモモは非常に聴覚が鋭いです。
騒々しい環境が原因で自傷行為に至る可能性もあります。
多少の生活音なら問題ないと思いますが、常に大きな音が出る場所は避けた方が無難です。
またフクモモは人間には聞き取れない高周波を感知することができるようなので、電子レンジや冷蔵庫など電子機器の近くも避けた方がいいでしょう。
対策⑦:消臭グッズを活用する
フクロモモンガは嗅覚も鋭いです。
自分以外のフクモモの臭いや、犬猫などのペットの臭いにストレスを感じている場合もあります。
ケージを清潔に保つことの延長線になりますが、ケージ周辺の臭いにも気にかけてみて下さい。
ケージ周辺の臭い対策としては、脱臭機か消臭剤がおすすめです。
脱臭機は、僕は富士通ゼネラル製のPLAZION DAS-303Kをつかってますね。
2~3年くらいつかってるかな。
効果を定量化はできませんが、体感だと効果はありますね。
脱臭機があるとないでは臭いの残り方が全然違いますね。
消臭剤は、以前幕レプで購入したハルインダストリさんの消臭ビーズがおすすめです。
無香料なので嫌な匂い残りもないし、臭いが本当になくなりますよ。
レビュー動画もまとめて出そうかなと思っています。
ちなみに僕はまだ試していないんですが、視聴者の方にコヒタセロイさんの「バイオミックス」という商品をおすすめしていただきました。もし興味あれば、皆さんもチェックしてみてください!
その他の対策について
その他、去勢手術と多頭飼いも心の異常対策として効果があると言われています。
しかし、飼育上のリスクがあるので理解しておきましょう。
去勢手術
去勢手術は、オスのフクモモの性的フラストレーションを抑える効果があると言われています。
ただし去勢手術には通院と手術及び術後健診にかかる手間と費用、そして死亡するリスクが発生します。
また去勢手術したからといって、必ず性的フラストレーションが抑制されるとは限りません。
実際我が家では、飼育上の都合からジゲンくんの去勢手術をさせましたが、性格や気性は変わりませんでした。
自傷行為の対策として、去勢手術に効果を期待しすぎてはいけません。
多頭飼い
多頭飼いは、フクモモの退屈・寂しいなどの気持ちを抑制する効果があると言われています。
しかし、多頭飼育には飼育者の負担が増えますし、フクモモ同士が仲良しになるとも限りません。
飼育している個体の性格を1番理解できるのは飼育者自身です。
安易に多頭飼いせず、飼育環境を今一度見直した上で、本当に多頭飼いすべきか、多頭飼いできるのかをしっかりと検討しましょう。
このように去勢手術と多頭飼いは、自傷行為の予防になりうるものの、飼育上のリスクがあることを忘れてはいけません!
もし自傷行為が起きてしまったら
もしフクモモが自傷行為をしてしまったら、迷わず動物病院へ行ってください。
素人判断ではなく、獣医さんに相談して治療してもらいましょう。
エリザベスカラーをつければ軽度な自傷行為の対策になるって聞いたことあります!その場合は病院に行かなくてもいいですよね?
そう考えている方もいるらしいのですが、僕はならないと考えています。
エリザベスカラーは自傷行為を無理やり抑える一時的な対策であって、自傷行為を解決する手段ではありません。
獣医師さんも以下のように情報発信なさっています。
- エリザベスカラーの装着でストレスがたまってしまう
- エリザベスカラーを外したとき、たまったストレスによって自傷行為を行う可能性がある
- ストレスのない飼育環境を目指す方が問題解決には手っ取り早い
繰り返しになりますが、自傷行為が起きてしまったら、迷わず動物病院で獣医師さんに相談しましょう!
さいごに
本記事では、フクロモモンガの自傷行為について解説しました。
フクモモ飼育に関する質問ありましたら、下記のお問合せからご連絡ください。
- いち飼育者としての個人的な見解をお答えします。あくまでご参考まで。
- 回答に時間がかかる場合もあります。ご了承ください。
- TwitterのDMでも対応可能です。(@30fukumomo)